ABOUT “ATC”

新しいATCシステムを創造する。日本信号が未踏の地に挑戦したプロジェクト。

ATCとは、自動列車制御装置のことで、Automatic Train Controlの頭文字を取ったものだ。「先行列車との間隔及び進路の条件に応じて、車内に列車の許容運転速度を示す信号を現示し、その信号の現示に従って、列車の速度を自動作用により低下する機能を持った装置をいう」などと、運転安全規範に記されている。運転安全規範とは、各鉄道事業者において「運転の安全の確保に関する省令」に基づいて制定された社内規程。ATCは、全国の各鉄道事業者によってシステムが異なり、日本信号では顧客の要望に応えるべく、各部署でATC製品に特化した部隊を設けて、対応している。
ATCには、大きく分けて地上装置と車上装置があるが、これらの装置が信号をリレーして列車を制御する仕組みだ。東武鉄道新信号プロジェクトでは、日本信号がこれまで強みとしてきた地上装置だけではなく、車上装置にもチャレンジした。さらに、設計から製作、現地工事まで、一切の施工を行う“ターンキー式”方式で受注。日本信号としても、このプロジェクトは未踏の地へと進む、大きな挑戦だったのである。

プロフェッショナルたちの仕事。プロジェクトはどのように進むのか。

クライアントの依頼、あるいはクライアントへの提案から、新しい案件はスタートする。まず、営業がクライアントの課題をヒヤリングし、社内に持ち帰って技術部門などと議論。そして、最良のソリューションを提案するために持てる技術と知識、経験を集約したプランを作り上げる。クライアントからのGOサインが出ると、チームが組織され、実行の段階に入っていくのだ。設計担当が全体の構想を描き、さらに詳細を構築していく。それをベースに、生産管理担当がプロジェクトの進行役を務め、各部署との連携を図る。そして、ものづくりが進んでいく。製品が完成すると試験を行うが、これを担うのが、品質保証担当である。安全な運行を実現するために、現地での走行試験など、あらゆる角度から製品を精査する。東武鉄道新信号プロジェクトにおいても、こうしたプロセスを経て、クライアントの要望を満たす新しいATCシステムが稼働することになる。

CLOSE

PREV

NEXT

SHIGEO INUI

第一営業部 乾 繁夫

自身の指示によって、社内の何百人というメンバーを動かすことがある。彼はそのことを常に肝に銘じ、顧客の要求事項を的確に判断し、迅速に処理することを心がけている。そしてどんな案件でも「日本信号に任せてよかった」「これからも日本信号とともに仕事がしたい」と、顧客に実感してもらうことを目指しているのだという。彼が今、取り組もうとしてるのは、自身が東武鉄道新信号プロジェクトで培った知識や経験を、いかに若い世代に受け継いでいくかという課題だ。さらに、日本信号が単なる製造メーカーではなく、ソリューションを提供できる企業として、グローバルに広く認知されるよう、その先導役になりたいと熱く語る。

TAKASHI INAGAKI

インフラ技術部 稲垣 孝

大学では、電気電子工学科で学んだ。就職活動の中で日本信号の事業を見学し、ものづくりをする醍醐味を味わいたいと稲垣は考えたのだった。入社後はおよそ10年間、鉄道信号機器の設計に携わった。そして、製品企画のセクションに異動し、市場調査や開発を経験。その後、現在のシステムエンジニアとしての役割を担うようになった。一つでも多く、自分が関わった製品やシステムを後世に残したいと、彼は言う。日本信号は、ものづくりのメーカーからコンサル業務などを行う総合メーカーへ変貌するプロセスにある。今後、市場調査から計画、設計、製作、工事まで、あらゆることに関わるチャンスが増えていく。日本信号の成長が、自身の思いを具現化することにつながると意気盛んだ。

SHUN TAHARA

生産管理部 田原 俊

田原は、社会貢献につながる仕事がしたいと日本信号に入社した。資材部を経て、生産管理部に異動になったのが2年前。すぐに東武鉄道新信号プロジェクトのメンバーに召集されたのである。新人の時、ある先輩から「次工程はお客様」という言葉を教えられた。次の工程に関わる人の仕事がスムーズになるよう常に心がけなさいという教えだ。彼は今もそれを心に刻み、仕事に取り組んでいる。そんな田原には、将来へのキャリアプランがある。事業所という現場で培った人脈や知識を活かして、営業として活躍することだ。自分自身が携わった案件が、社会貢献に役立っているという実感、それが次のモチベーションにつながると考えているのだ。

KATSUYUKI NAKAGAWA

品質保証部 中川 勝行

小学校の頃からビデオデッキを分解するなど、機械が好きだった。大学在学中から日本信号の存在は知っていて、日常生活で利用する製品を作ることに魅力を感じ入社を決意。東武鉄道新信号プロジェクトを通じて、彼には、大きな収穫となるものがあった。それは、社内の各部署の役割と動き、課題までも知ることができたこと。日常の検査業務だけでは見えてこないものが見えてきたのだ。さらに、大勢のメンバーが一つの目標に向かって取り組むことを経験し、仕事には協力が不可欠だということも実感できた。鉄道のシステムはATCだけではない。電気電子だけではなく、物理的な分野の仕組みについても知りたい、理解したいと彼は言う。自身の仕事の幅を広げようと考えているからだ。

CLOSE

PREV

NEXT