リモガスとは?

計測原理

光学配置

説明図は、リモガスによる遠隔・非接触なガス計測の概念図です。
リモガスから投光されるレーザ光の波長-強度特性は、波長軸に対して鋸波の形状を示しています(図の1)。
このレーザ光が計測対象ガスを透過すると、後述するランバート・ベールの法則に基づく特定波長におけるエネルギー減衰が生じ、計測対象ガスの分子振動エネルギーに応じたエネルギー吸収が生じます(図の2)。
レーザ光は予め設置された再帰反射鏡により、往路とほぼ同軸となる復路を進行し、再度、計測対象ガスによるエネルギー吸収を受けます(図の3)。
最終的にリモガスが受光したデータについて、計測対象ガスによるレーザ光のエネルギー吸収の有無を解析することにより計測対象ガスの存在有無がわかり、さらにエネルギー吸収の度合いを解析することにより計測対象ガスの濃度を演算することができます(図の4)。

一体型
リモガス本体にレーザの送信と受信の両方の機能を組み込んだ装置を用います。一体型リモガスから発振したレーザ光は、離れた場所に設置した再帰反射鏡により反射し、再度、リモガス本体の受光系により受信する構成となっています。レーザが往復する通り道(パス)上に存在する計測対象ガスを検出することができます。一体型構成では、再帰反射鏡やレーザ光を反射する構造物や物体などが必須となります。

一体型

別体型
レーザの送信系と受信系が別々になった装置です。リモガスの送信部から発振したレーザ光は、離れた場所に設置した受信部でレーザ光を受信する構成となっています。送信部と受信部の間に存在する計測対象ガスを検出することができます。

別体型

ランバート・ベールの法則

 

ランバート・ベールの法則とは、電磁波(光)が媒質(ガス)を透過するときに、媒質のモル吸光係数がa(λ)、モル濃度がC、光が透過するパス長がLであるとき、入射光強度I0のエネルギー減衰は前三者の積により定義され、透過光強度I1は第1式のように書けるとした法則です。モル吸光係数a(λ)は透過する光の波長λの関数であり、媒質毎の物性値です。リモガスでは、計測対象ガスによる電磁波(光)の減衰を計測し、ランバート・ベールの法則を利用することでガス濃度を算出します。

ランバート・ベールの法則

レーザ光源の特長

 

差周波変換によるレーザ
リモガスは、非線形光学効果の一つである差周波発振(DFG; Differential Frequency Generation)による中間赤外域の常温発振レーザを採用した小型な機器構成となっています。差周波発振は、ポンプ光(赤色レーザ)とシグナル光(近赤外レーザ)を非線形光学結晶に入射させることにより、アイドラ光(中間赤外レーザ)を発振します。このとき、シグナル光の波長を変化させることで、アイドラ光の波長をその何倍も変化させることができます。そのため、幅広い濃度のガス計測や複数ガス種の計測を一つの装置で対応することができます。
※複数ガス種の計測を同時に行うことができません

レーザ光源

中間赤外域のレーザ光源
差周波発振(DFG;Differential Frequency Generation)による常温発振レーザは、差周波発振に利用するシグナル光の中心波長をソフトウェアのパラメータ設定により可変させることができ、3.38μmから3.50μmまでの広帯域なレーザ発振(波長設定幅:120nm)が可能となっています。また、中間赤外域では太陽光の放射や常温物体の黒体放射の影響をほとんど受けないために野外計測用途への適用が期待されています。
中間赤外域は分子の基本振動に近いため、より波長が短い近赤外域よりも検出感度が高くなります。つまり、近赤外域を利用したガス計測器よりも低濃度のガスを検出できる可能性を持っています。また、近赤外域を利用した装置では計測できなかった有機溶剤の検出も、中間赤外域を使用すれば検出可能となります。