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Q&A
Q01
リモガスの利点はなんですか?
リモガスの売り文句は、「“多様なガス”を計測対象とした“遠隔・非接触”な“リアルタイム計測”」です。これを実現するシーズとして「中間赤外域における常温発振できる広帯域レーザ」を採用しています。
中間赤外域には無機物や有機物の赤外吸収帯が多数あるため、「多様なガス」に対応できます。また、装置から外部空間に向けてレーザを射出し、反射光に含まれるガスの吸収成分を計測するため、装置とガスが「遠隔・非接触」でも計測可能です。さらに、「リアルタイム」なデータ表示により次世代のガス計測を提供します。
リモガスは、世界初の有機溶剤の揮発成分の遠隔・非接触ガス計測器です。(2010年3月現在、当社しらべ)
但し、「多様なガス計測」については、原理上、ガスの単成分毎に分離した同時計測はできません。
Q02
遠隔・非接触なガス計測とはどんなものですか?
「接触型のガス計測」とは、計測器やセンサが計測対象ガスと接触したり、吸引したりすることによりガス計測を行う装置を指します。
リモガスは「遠隔・非接触のガス計測」が可能ですが、リモガスは空間を透過していくレーザを使用したガス計測であるため、計測器と計測対象ガスが離れていても(遠隔・非接触でも)ガス計測が可能です。
リモガスは、装置から射出したレーザ光が外部空間にある反射体で反射して再び装置に入射するレーザ光のパス上に存在する計測対象ガスを計測します。
Q03
計測可能なガスの種類は何ですか?
無機化合物では、CO
2
、CO、H
2
S、NH
3
、SO
2
、NO
2
、CH
2
O、(CH
4
)などが計測対象となります。
有機化合物は-CH基、-OH基、-NH基を有する有機物が計測対象となり、CH
4
をはじめとする可燃ガスを含むアルカン全般(重原油の揮発成分を含む)のほか、各種のVOC (Volatile Organic Compounds; 揮発性有機化合物)としてトルエン、酢酸エチル、MEK、IPA、キシレンなどが計測対象となります。
Q04
VOC計測の対象ガスは何ですか?
印刷、塗装、接着分野において使用される有機溶剤として、トルエン、キシレン、酢酸エチル、MEK、IPAなどが挙げられますが、いずれも計測対象となります。
また、国内のVOC排出量トップ3はトルエン、キシレン、1,3,5-トリメチルベンゼンであり、これらを含む15種類のVOCが全排出量(150万t/年)の3/4を占めています。リモガスは、それら15種類のVOCに感度をもち計測対象とすることができます。
但し、複数種類のVOCが同時に存在する場合、それらを分離しての同定や定量は将来課題です。ご相談ください。
Q05
気体以外の液体や固体は計れますか?
気体(ガス相)の計測を原則としています。
但し、液体の透過率や固体の反射率を利用した計測の可能性はあります。
Q06
粉塵は計測できますか?
粉塵による影響を受けますが、粉塵を計測対象としていません。
Q07
水溶液中のガスは計測できますか?(炭酸水のCO
2
など)
水溶液中のガス計測はできません。これは液体の水が赤外レーザ光を吸収するためです。
Q08
水素や窒素や塩素やアンモニアは計測できますか?
等角二原子分子(H
2
、N
2
、O
2
、Cl
2
など)は中間赤外域に赤外吸収線を持たないため計測できません。
NH
3
、CH
4
、SOx、NO
2
などは計測対象となります。
Q09
一つの装置で複数のガスを計測できますか?
発振波長が広帯域なレーザ光源を開発したため、一つの装置で複数のガスを計測する設計とすることも可能です。但し、複数のガスの同時計測はできません。
Q10
計測原理は何ですか?
媒体(ガス)を透過する電磁波の減衰に関するランバート・ベールの法則を計測原理としています。この法則によると、ガスの透過率は、媒質の濃度C、媒質を横切った電磁波のパス長L、媒質のモル吸光係数a(λ)の積に応じて減衰します。
Q11
定性分析や定量分析はできますか?
予め想定された数種類のガスの定性分析はある程度可能です。
定量分析については、カラム濃度[ppm・m]に対して有効です。レーザ計測する時にガスが存在する可能性があるレーザパス長(レーザの通り道の長さ)が予め分かっていれば、その空間中の平均ガス濃度[ppm]を計測することができます。
Q12
カラム濃度とは何ですか? 濃度の絶対値は測定できないのですか?
リモガスによる計測値はカラム濃度と呼ばれる[ppm・m]を単位とした計測結果です。カラム濃度は、レーザ光が計測対象ガスを透過したパス長L[m]とガス濃度C [ppm]の積です。レーザが透過したパス長L[m]が予め分かっていれば、平均ガス濃度[ppm]を計測できます。
Q13
炭素換算の[ppm・C]とどう違うのか?
炭素換算濃度は分子中の全炭素原子の濃度であり、例えばトルエン(C
7
H
8
)が100[ppm]のとき、トルエンは炭素原子を7つもつので、炭素換算濃度は700[ppm・C]となります。
リモガスではトルエン100[ppm]が1[m]のパス長で存在するとき、100[ppm・m]として計測されます。
Q14
リアルタイムの速度はどの位ですか?
CO
2
計測用デモ器では、約15Hzで1ライン25ピクセルをリアルタイム表示しています(66m秒/ライン、平均回数16回)。
VOC向けのリモガスでは、1秒間隔でのデータ表示およびデータ保存に対応しています。
Q15
スキャンの角度と速度はどの位ですか? スキャン範囲をμmにできますか?
標準設定ではスキャンできる光学角が±20度で、スキャン速度が240Hzです。
スキャン範囲の設定をμmレベルの微小範囲とすることはできません。
Q16
微小空間計測はどの程度まで計測できますか?
レーザのビーム径が直径で2〜5mmとなります。
計測エリアは、そのレーザのビーム径が横切る空間内となります。
Q17
ガス画像計測はできますか?
スキャン計測を2次元スキャン計測とすることによりガス画像計測を実現することが可能です。将来的な課題です。
Q18
検出限界はどの程度ですか?
計測限界は100ppm・m程度を想定しています。これは計測パス長が10mのときに10ppm、計測パス長が1mのときに100ppmに相当します。
(使用するレーザ波長、計測距離や環境条件によります。)
Q19
計測精度や誤差はどの程度ですか?
計測誤差は±10%を想定しています。 (受信S/Nによります。)
Q20
複数ガス単成分を測定する場合の同時性はどの程度ですか?
複数ガス単成分を同時計測はできません。
複数ガス単成分を計測するためにレーザの中心波長の設定を変更させますが、これに要する時間は数分〜数十分間となります。
複数ガス単成分が混合した状態の濃度を計測するモードとすることにより、複数ガス成分の混合濃度を計測することは可能です。
Q21
距離別の濃度測定はできますか?
距離別の濃度測定はできません。
Q22
計測濃度のダイナミックレンジはどの位度ですか?
計測濃度のダイナミックレンジは2桁程度です。
Q23
電源電圧と消費電力はどの程度ですか?
商用電源100VACで使用できます。消費電力は最大500Wです。
Q24
計測可能距離はどの位ですか?
計測可能距離は、μWレーザの場合で往復1.5m(パス長3m)、mWレーザの場合で往復10m(パス長20m)を目安としています。但し、計測可能距離は反射体(鏡面、再帰反射体、構造物)の反射特性や使用環境により変わります。
Q25
反射体の反射率の違いや拡散反射率の違いは影響しますか?
反射体の光学特性は計測に影響します。当社推奨の反射体を使用したり、予め想定された反射体を利用したりしたガス計測をお奨めします。
反射物の反射特性が鏡面反射(正反射)を主とした物質の場合、レーザの伝播方向と反射面が直交している必要があります。
Q26
水の影響は受けますか?
液体としての水は幅広い波長域で赤外吸収するため、レーザの送受信パス上に液体としての水が存在すると受信強度が著しく低下し、計測が難しくなります。
但し、気体としての水(水蒸気)は水(液体)に比べると赤外吸収の波長幅や強度が小さいため、水蒸気の赤外吸収がない波長帯を使用した計測が可能です。
計測対象ガスの吸収線波長と水(液体、水蒸気)の吸収帯の関係については、お問い合わせください。
Q27
ガス温度による影響はありますか?
想定しているガス温度に対して数十度以下の高温であれば計測への影響は少ないといえますが、数十度以上の高温である場合には計測結果に影響が現れます。数百度以上の高温の場合にはそれに応じた事前の装置設計が必要となります。
Q28
太陽光の影響は受けますか?
レーザ波長が中間赤外域であるため、太陽光の影響はほとんど受けません。太陽光からの放射(日射)は紫外域から短波長赤外域までの280から2500nmまでの波長範囲にそのほとんどが分布しています。
Q29
レーザレーダ(ライダー)とはどう違いますか?
いわゆるレーザレーダ(ライダー)はパルスレーザを使用した遠距離(>数百m)計測のための装置です。リモガスは連続波レーザを使用した近距離(数m)計測のための装置です。
Q30
レーザの波長掃引幅はどの位ですか?
3.4um帯において中心波長位置を200nm以上変化させることができます。また、中心波長位置を中心として±15nmの波長掃引が可能です。
Q31
出力はどの程度ですか?
適用する波長変換原理により、μWまたはmWの2手法があります。
Q32
パルスレーザではないのですか?
パルスレーザではなく連続波レーザを使用しています。
Q33
量子カスケードレーザに比べて優位性はありますか?
量子カスケードレーザの耐久時間は数千時間とされていますが、リモガスのレーザ光源は10万時間以上の耐久時間があり、長寿命です。
また、リモガスのレーザ光源は一つの装置の設定変更により、中心波長位置を200nm以上変化させることができる広帯域光源という優位性があります。
Q34
中間赤外域だと何が良いのですか? 近赤外との違いは何ですか?
ガス分子によるエネルギー吸収はモル吸光係数と呼ばれる物性値の関数であり、モル吸光係数が大きいほどエネルギーの吸収が強くなります。中間赤外域におけるモル吸光係数は、一般に近赤外域におけるそれよりも大きいため、高感度計測に対応できます。すなわち、より低濃度のガス計測が対象となります。また、中間赤外域は、有機物の基本振動に近いため、有機物の計測も可能となります。
また、近赤外域では太陽光の影響を受けるために野外計測が難しくなりますが、中間赤外域では太陽光の影響をほとんど受けないために野外計測用途への適用が期待されています。
Q35
レーザ光源だけを売ってもらえますか?
個別にご相談ください。
Q36
どのような使い方ができますか?
(1)ガス漏洩検知:配管や設備からのガス漏洩を早期検知し、警報装置として利用できます。従来の接触型のセンサはセンサとガスが接触しなければならないため、計測範囲が狭小エリアに限られていましたが、リモガスはセンサとガスが離れていても計測できる非接触型のセンサなので計測の死角を減らすことができます。
(2)プロセス計測:配管や設備の内部のガス濃度が規定値通りにオペレーションされているかどうかを常時モニタリングし、ガス処理プロセスのフィードバックセンサとして利用できます。従来型の接触型のセンサは、ガスとセンサの接触によりセンサ劣化が早いという課題がありましたが、リモガスはレーザによる非接触計測なので長期間にわたり安定した計測を行えます。
(3)環境モニタリング:駅や信号などの社会インフラにリモガスを取り付けて、温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)や公害原因物質(VOC、NOxなど)を計測し、センサネットワークによりデータを集中管理することにより、広域的な環境モニタリングに利用できます。
Q37
乾燥炉や配管にどのようにリモガスを取り付けるのですか?
乾燥炉や配管にリモガスを取り付ける際には、乾燥炉や配管に直径約1cmの穴をあけて頂き、専用の窓材アタッチメントを取り付けて頂きます。リモガスから発振したレーザは、その窓材を透過して乾燥炉内のガス雰囲気計測を行います。乾燥炉や配管へのリモガスの取付方法については、ご相談ください。
Q38
どのようなコンセプトの装置がありますか?
常時の計測や監視を目的とした「据置型コンセプト(リモガス)」と、持ち運び可能な汎用利用を目的とした「携帯型コンセプト(リモガスモバイル/REMOGAS mobile)」と、広域的かつ長期間にわたる環境モニタリングを行う「センサネットワーク型コンセプト(リモガスアーカイブ/REMOGAS archive)」があります。
Q39
操業のコスト低減にどう役立ちますか?
リアルタイム計測の結果を活用したリアルタイム制御によるコスト低減のほか、従来は人手や経験や勘に頼っていた計測や制御を自動的な計測や制御に置き換えることによるコスト低減が期待されています。
Q40
乾燥炉における利用では、どんなメリットがありますか?
乾燥炉におけるリモガスの利用では、次のメリットがあると想定しています。
1)品質向上:コンバーティング機材は乾燥点がシビアになってきていますので、より高度な乾燥炉内の雰囲気計測に基づく乾燥パラメータの制御が必要となります。リモガスは、乾燥炉内のフィルム直上における有機溶剤の揮発成分をリアルタイムに計測することができますので、より高度な乾燥制御に活用いただけます。
2)安全性向上:乾燥炉内や集合ダクト内の有機溶剤の揮発成分は、爆発下限(LEL)に基づく管理濃度で操業されています。リモガスは乾燥炉内などの有機溶剤の揮発性武運をリアルタイムに計測することができるので、管理濃度監視の高度化を図ることができます。
3)省エネルギー:前記のようなリモガスの使用により、より最適な乾燥制御がなされるため、熱風乾燥に使用されるエネルギーが低減され、また、燃焼式の脱臭装置で使用される重油などの燃料の使用量も低減されます。
4)環境監視:脱臭後の排気ダクト内部をリモガスで計測することにより、工場からの排煙がクリーンであることをリアルタイムに監視することができます。
Q41
交換部品や消耗部品はありますか? またその交換頻度はどのくらいですか?
交換部品や消耗部品として、リモガスの窓材やレーザ部品が考えられます。詳しくはお問い合わせください。
尚、レーザ光源で使用するレーザダイオードの寿命は10万時間以上であり、連続運転で10年以上使えます。
Q42
制御装置は取り扱っていますか?
ご相談ください。
Q43
制御装置との通信はできますか?
EthernetやRS232Cによる通信のほか、計測値の電圧出力や異常時の接点パルスなどの出力も可能です。詳しくはお問い合わせください。
Q44
空に向けて計測できますか?
空に向けての計測はできません。反射体が必要です。
Q45
防爆仕様ですか?
耐圧防爆構造について、現在開発を進めています。詳しくはお問い合わせください。
Q46
乾燥炉内は100℃を越えますが、使用温度条件が「0〜40℃」となっています。
乾燥炉にリモガスを取り付ける際、乾燥炉に直径1cmの穴をあけて頂き、専用の窓材アタッチメントを取り付けて頂きます。リモガスから発振したレーザは、その窓材を透過して乾燥炉内のガス雰囲気計測を行います。つまり、リモガス本体は乾燥炉の外側に取り付けることとなります。乾燥炉の断熱性能や工場内の室内温度環境にもよりますので、詳しくはお問い合わせください。
Q47
いつ、どこで買えますか?
2010年の販売開始予定です。
当面は日本信号が販売します。
お客様の現場におけるフィールド検証の受付もしております。用途をお聞かせください。
Q48
JISやISOの規格との関連はありますか?
リモガスは計測規格に準拠していません。
将来的には、計測手法を標準化できるような活動を行います。
Q49
計測濃度のトレーサビリティや校正体系はどうなっていますか?
計測濃度の値付け(校正、キャリブレーション)は、日本信号内における社内手順に基づき行われます。外部機関からのトレーサビリティはありません。
Q50
レーザの危険性や法規制はどうか?
リモガスのレーザ光源は、アイセーフ波長である中間赤外域レーザであると共に、レーザ出力はサブmWと小さく、アイセーフ・レーザです。ご使用にあたっての法規制はありません。
但し、赤色レーザマーカを搭載するモデルでは赤色レーザがクラス2レーザとなるので、直視すると目にダメージがあります。レーザ光を覗き込み直視しないでください。
Q51
他社の特許侵害はありませんか? また、日本信号の特許出願はありますか?
関連特許を配慮した開発を行っています。
また、中間赤外域における常温発振レーザやそれによるガス計測器に関する特許出願を戦略的に行っています。